上伊那の野山を駆け巡った野性のニホンジカの鹿革製の名刺入れです。上伊那地域で獣害駆除により捕獲された鹿のなめし革を使用しています。非常に柔らかく、使うほどに馴染み、ツヤも増します。グラデーションの麻糸で、ひと針ひと針手縫いしています。
仕上げにミンクオイルを塗り込んであります。防水と防汚と革への油分の補給です。油分を補えばしっとりするのは、人間も同じ。こうしておけば、多少の汚れも同じくミンクオイルで落ちます。雨ジミもできにくくなります。
掌で、手の温度で滑らかく薄くして、優しく形を整えながら、ムラにならないよう塗り込んでいって、最後は正絹で余分な油分を拭き取るように磨きました。気持ちを込めた仕上げのつもりです。
一つの命の末の姿、大事に長く使ってもらえますように。

【サイズ】
10.5cm x 7.5cm（二つ折）
ポケット深さ：5cm(1ポケット側)
5cm、4cm(2ポケット側)




【革のお手入れについて】
ミンクオイルなどを布に取り、軽くこすり拭き取ってください。たくさん一箇所に塗ると油シミになりますが、これも本革の味だと楽しんでいただけるといいと思います。

【オーダーメイド承ります】
ポケットの数、サイズ、革色、糸色等ご相談に応じます。この場合、価格も増減ともに相談させていただきたいと存じます。まずはメールにてご連絡ください。獣害駆除により捕獲された鹿の革を使用しているため、鹿の生活傷などがあります。銃弾痕などもあります。デザインとして活かしたり、命の果ての姿に対する敬意として、できるだけ捨てないよう、デザインに支障を来さないと判断した部分には一部使用するものもあります。オーダーの際写真などでご確認ご了解をいただくように考えておりますが、ご了承の上、ご注文ください。
また、全て手縫いのため、ミシンのような均一性をお望みの方にはお勧めいたしません。
一つ一つが手作りの、一点ものです。再販または複数でご購入の場合は同仕様にて承りますが、革目や縫い目等が変わりますことをご了承ください。
返品・返金には応じかねますので、上記のことやその他ご心配な方は、ご注文前にご相談ください。



■「mi・sato」について

「み」は、「美」であり、「御」です。次に続く言葉を高め尊ぶ美称です。「さと」は、「里」「郷」。人の住むところ。

「みさと」は、郷土への愛と敬虔を表わす素晴らしい言葉だと思っています。万葉集に現れ、高貴な人の住む素晴らしい尊い場所を意味すると聞いて育ちました。論語には「里仁為美」とも記されています。 「里」は二十五軒の家からなる集落で、「里（り）は仁（じん）なるを美（よし）と為（す）」とも訓読します。「村落は仁徳のある人が多く住んでいるところがよい」「人の住む里については、仁に溢れた場所が良いところ」というような意味です。
古い時代からの、土地の素晴らしさを表してきた言葉…。
私は伊那というこの地が好きです。山並みも緑も川の流れも食も文化も人々の温かさも、大好きです。そういうものを大事にしながら、その恵みにあやかりながら、ここで暮らしていきたいと思っています。そして、それらを伝えていけたらと思います。こうした思いのもとに作ったものに、この言葉を冠してありがたさと敬意を表していこうと思いました。

「mi・sato」は、そんな日本語の音（おん）を日本人でない人にも比較的わかりやすいアルファベットで表したものです。