けやき拭き漆椀
直径 117mm
高さ 71mm
ケヤキは日本に生育する樹木中の王様みたいなもので、その木目の力強さでケヤキに敵う木は他にはありません。
漆のノリ(お化粧と同じようなもので、良く乗ったり、あるいは乗りがもう一つということが樹種によって、また同じ樹種でも個体によって、ということがあるものです。)も良く、漆の良さを最も引き出すことが出来るのはケヤキと言っても過言ではないでしょう。
ケヤキはクッキリと鮮やかな年輪を持っています。
年輪とは木の切り株などに見られる線のことですが、濃い色の線は夏に、そして淡色は春に成長した部分です。
(濃い色の部分は成長が遅くその分硬く、薄色は柔らかいです。長年の使用により薄色部はより摩耗しやすく、そのことによりデコボコができやすいです。)
つまり濃色と淡色で一セット、一セットが一年となります。
濃線を数えれば樹齢が判明するのはこのためです。
なぜケヤキの年輪が鮮明かと言えば、この夏に成長した部分に添って集中的に導管が並んでいるからです。
これを「環孔材」と言います。
一方、栃や楓などは年輪がハッキリしません。
これは導管が万遍なく全体にひろがっているからです。
これを「散孔材」と呼びます。
お椀は一般的にケヤキで作られることが多いです。
拭き漆で仕上げられたお椀のうち市中で売られているものを見ると、たいていは年輪の周囲に小さな孔が開いています。
下地造りとは一言でいえば、この孔を漆で満たして内部を固めることですが、孔が見えるということはこの下地造りがほぼなされていない、もしくは全然なされていない、ということを意味します。
この下地作りほど手間暇のかかる工程はほかにありません。
しかも完成品を見ても素人には下地がなされたものであるかどうかわかりませんし、その重要さも理解されていないでしょう。
つまり手を抜くとしたらこの部分なのです。
この工程を省くと全体の作業時間は三分の一で済みます。
たとえ数多く塗り重ねられていようが、下地作りがおろそかである場合は、比較的短期間のうちに表面に塗られた漆は木質内部に吸収され、膚からは艶が失われ、あるいは剥落して被膜の用を足さなくなる可能性もあるので注意せねばなりません。
外側は通常の拭き漆ですが、内側は黒漆になっています。
高さ 71mm
ケヤキは日本に生育する樹木中の王様みたいなもので、その木目の力強さでケヤキに敵う木は他にはありません。
漆のノリ(お化粧と同じようなもので、良く乗ったり、あるいは乗りがもう一つということが樹種によって、また同じ樹種でも個体によって、ということがあるものです。)も良く、漆の良さを最も引き出すことが出来るのはケヤキと言っても過言ではないでしょう。
ケヤキはクッキリと鮮やかな年輪を持っています。
年輪とは木の切り株などに見られる線のことですが、濃い色の線は夏に、そして淡色は春に成長した部分です。
(濃い色の部分は成長が遅くその分硬く、薄色は柔らかいです。長年の使用により薄色部はより摩耗しやすく、そのことによりデコボコができやすいです。)
つまり濃色と淡色で一セット、一セットが一年となります。
濃線を数えれば樹齢が判明するのはこのためです。
なぜケヤキの年輪が鮮明かと言えば、この夏に成長した部分に添って集中的に導管が並んでいるからです。
これを「環孔材」と言います。
一方、栃や楓などは年輪がハッキリしません。
これは導管が万遍なく全体にひろがっているからです。
これを「散孔材」と呼びます。
お椀は一般的にケヤキで作られることが多いです。
拭き漆で仕上げられたお椀のうち市中で売られているものを見ると、たいていは年輪の周囲に小さな孔が開いています。
下地造りとは一言でいえば、この孔を漆で満たして内部を固めることですが、孔が見えるということはこの下地造りがほぼなされていない、もしくは全然なされていない、ということを意味します。
この下地作りほど手間暇のかかる工程はほかにありません。
しかも完成品を見ても素人には下地がなされたものであるかどうかわかりませんし、その重要さも理解されていないでしょう。
つまり手を抜くとしたらこの部分なのです。
この工程を省くと全体の作業時間は三分の一で済みます。
たとえ数多く塗り重ねられていようが、下地作りがおろそかである場合は、比較的短期間のうちに表面に塗られた漆は木質内部に吸収され、膚からは艶が失われ、あるいは剥落して被膜の用を足さなくなる可能性もあるので注意せねばなりません。
外側は通常の拭き漆ですが、内側は黒漆になっています。
這邊是展示的作品
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毎日の暮らしの質が良くなっていきそうです。