長さ　　１１０mm前後
柄の厚み　　９mm前後

「パープルハート」とは一般には馴染みの薄い名前だと思いますが、南米で産出される樹木です。
パープルハートという名前も美しいものですが、別名をヴァイオレットウッドと言い、「ローズウッド」と呼ばれる薔薇の香りにも似た芳香を放つ木々の一つです。
芳香とはいえ常に香っているわけではありません。
ノミやかんなで切削し、新しい面が空気に晒されると匂い立つのです。
薔薇というよりは、フルーツのような、あるいは数種の花が混じったブーケのような香りです。
いずれにせよ、作業をしながら、こんなウットリとした気分にさせてくれる木は他にありません。

パープルとかヴァイオレットと色彩名が冠されているのは、実際この木が紫色をしているからです。
こんな色の木は他に知りません。
実に鮮やかな、さつま芋のような色をしているのです。
しかし、切削してすぐの切り口は平凡な、そこいらの木と区別がつかないような色です。
時間が経つと恐らく酸化するのでしょう、目にも鮮やかな美しい色に変わってきます。

これはオイル仕上です。
しかし、下地を作ったうえでオイルが塗ってあるので、使用後の劣化は殆どありません。
オイル仕上であっても下地造りがなされていれば、メンテナンスは必要ないのです。

白い部分はカエデ材です。